『青い海の宇宙港』 ― 2016年09月27日
小説のコーナーで、声変わりしていない男子中学生とそのお母さんと思しき二人が本を選んでいた。「ちゃんとした本」を読むなら、お母さんが何冊でも買ってあげるというルールになっているらしい。
お母さんが川端裕人さんの「青い海の宇宙港」の春夏編を手に取りながら、この本は宇宙のお話で、すごく電気が好きな小学生が出てくるのよというような説明をしながら、男の子に勧めていた。電気の好きな小学生というのがちょっと違うような気がしたけど、わたし以外の人間が本屋で川端裕人さんの本を手に取るのを見たのは初めてだったので、なんだか嬉しかった。男の子が手に持っていたのは「君の名は。」のノベライズ版だった。なるほど。
青い海の宇宙港は、わたしが一番最初に読んだ「夏のロケット」と遠いところで世界が繋がっている話で、挫折してやさぐれた大人が、才能ある小学生たちに触れて、彼らをサポートしていくうちに、自分もまた人生の軌道修正を果たすという点で、構造的には「銀河のワールドカップ」に似ている。
川端さんの他の著作同様、綿密な取材に基づいて書かれており、出てくる小学生がみな素直で非凡なところ以外は、とてもリアリティを感じさせる物語である。「夏のロケット」は最後の最後で「え?本当にこれに人が乗ってちゃっていいの?」と思っている間に有人宇宙飛行をやってしまうところが、ちょっと突っ込みどころだったのだけど、今回はそういうサプライズはなくてちょっとホッとした。
前からずっと行ってみたいと思っているのだけど、いっそう種子島に行きたくなった。次の夏休みに、海水浴も兼ねて行けたらいいなぁ。ロケットの打ち上げと重なったらなおいいんだけどなー。
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