大とか小とか2007年10月28日

9月末に職場の事務所が移転して、ビルのワンフロアをリフォームしたところに入ることになった。

トイレも新設されて、シャワートイレ付きの最新のものが設置された。便座の脇にタンクがなく、ポンプで注水するタイプのもので、レバーをひねるのではなく、個室の壁のボタンで水を流すようになっている。

ボタンには「大」とか「小」とかいうラベルがついているのだが、日本語のみの表記だ。外国からの客がきたら困惑するだろう、と思って英語のラベルをテプラで貼ることにした。

しかし「大」とか「小」とか、どうやって英訳するのかが、わからなかったので、結局、水量は「●●●」と「●○○」のピクトグラムに頼るとして、大、小ボタンの近所に「flush」というラベルを貼るにとどめた。よけいなことを書くとかえって混乱すると思ったので。

で、先日、米国から60歳を超えた米国からの客が事務所を訪ねてやってきた。打ち合わせの途中にトイレに立った先生がなかなか戻ってこない。やはり水を流す方法がわからず四苦八苦していたようで、人を呼んで聞くわけにもいかず困っていたらしい。

結局、便座のフタを閉めて、降参して出ていらっしゃった。が、訴えを聞いてようすを見に行ったわたしがボタンを押しても水が流れない。

どうも、水を流すスイッチが壁にある、という発想がそもそもないので、まず便座の周りをさんざん探しまわったあげく、ようやく壁のボタン群を発見し、やれやれと思って最初に押したボタンがたまたまシステムの電源を切るボタンだったらしい。盲点だった。

最近はシャワートイレも、海外へ輸出されているらしいが、ボタンの説明はどのように英訳されているのか、興味のあるところである。「おしり」とか。

ちなみに、日本の空港のラウンジのトイレにもシャワートイレが導入されている。やはりボタンに英語表記はなく、ボタンの機能の説明はピクトグラムに頼っている。ときどき、ボタンに描かれたピクトグラムが摩耗して消えていることがあり、日本人ですら困惑してしまうことがある。